洋画『カッコーの巣の上で』

精神病院とロボトミー

医療に関係する映画として、ここでは古いものの名作として広く知られている作品「カッコーの巣の上で」について紹介します。
こちらはケン・キージーによって執筆されたOne Flew Over The Cucco’s Nestという作品を映画化したものです。
映画に当たっては主人公が変わっており、視点が違う作品であるため、映画だけではなく原作についても合わせて見てみることを薦めたいと思います。
映画化されたのは1975年ですが、その後1998年、2006年、2007年に出された映画ランキングにランクインするなど、根強い人気を誇っています。

この作品は、医療における「タブー」に近い部分に踏み込んでいる内容でもあります。
扱っているのは当時の精神病棟の話であり「人間性」と「精神病」との境界線がどこにあるのか、ということを問いかける内容となっています。
では、簡単な内容について紹介します。

映画版ではマクマーフィーという人物が主人公となっています。
この人物は言ってしまえばろくでもない人物であり、元々刑務所に入るのを逃れるために精神病を装い、精神病棟に入ってくる、というところからスタートします。
ここでマクマーフィーは精神病棟が人間性までも統制しようとしていることに反発し、それをぶち壊すように動き始めるわけです。

精神病棟を取り仕切っているのは婦長で、この人物はともかく規律を大事にするキャラクターとして描かれます。
マクマーフィーはこの婦長の言うことを全く聞かず、片っ端からぶち壊すような行動をとり続けます。
他の患者を巻き込んで勝手に釣りに出かけたり、セラピーを拒否してワールドシリーズを見ようとしたり、と病院側からするととんだ問題患者です。

そして決定的な事件が起こります。
クリスマスの夜に乱痴気騒ぎを起こし、その中にいた患者の1人がそのことを咎められて自殺をしてしまいます。
マクマーフィーはこれに対して激怒して婦長を殺そうとしますが、これが元となって隔離を受けることになりました。
その後マクマーフィーはロボトミー手術によって廃人状態になってしまい、共に脱出すると約束していたチーフという人物に絞殺(ほぼ介錯のようなものです)され、チーフは病院から脱出する、という内容となっています。

人間性と精神

ロボトミー手術は、ノーベル賞を受賞したこともあるほど、権威ある精神病の医療方法として広まっていました。
しかし、この手術を通して、人間性そのものが変わってしまう、ということについても問題になったわけです。
この作品では精神病棟の問題と、このロボトミーの問題を両方扱っています。
後味の良い映画ではありませんが、ジャック・ニコルソンの怪演が楽しめる作品となっています。

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