整形外科と地域医療について

医療というのは、本来、人が生活している生活圏内で受けることが大半だと思います。

それがいわゆる地域医療と呼ばれるものであって、さまざまなことを相談できる
主治医的な存在の医師を、今はかかりつけ医と呼んでいます。

日本全体が高齢化社会に向かっていることもあり、地域医療においても、
各医療機関においては、高齢者が受診数の大半を占めることになっているでしょう。

もちろん、子供特有の小児科や女性のための産婦人科は例外的に除きますが、
それ以外の診療科目においては、圧倒的に高齢者による受診が多いことでしょう。

そんな医療の現場にあって、特に高齢者の占める割合が高いと思われるのが、
整形外科です。広島市における整形外科受診の割合も、どこの整形外科においても、
圧倒的に高齢者が多いと思われます。

これは、人間の体の構造が年とともに衰えてくるという、
避けられない宿命にあるため、どうしてもそうなってしまいます。

人間の運動器である機関としての代表は、ひざや腰などになりますが、
こうした器官は機械的な運動を繰り返すという性質上、長期間にわたる使用に伴い、
不調をきたすことになるのです。

特に平均寿命が延びてきた今の日本においては、国民病と言えるかもしれません。

その症状としては、変形してしまうとか、
変形により痛みが生じてくるなどといったことです。

この症状は加齢とともに起こってくることですから、通院するにも痛みが伴い、
できるだけ近くの医療機関を、ということになると思います。

しかも、痛いからといってじっとしているというわけにもいきませんし、
じっとしていても痛みが引くというものでもありませんから、毎日医者に通って
処置をしてもらい、なんとか悪化を防ぐという対症療法になる場合が多いでしょう。

そうなると、お年寄りが多い地域にあっては、どこの整形外科もお年寄りで
あふれんばかり、という状態になると思います。

ときどき、若い人で捻挫をしたとか、肉離れを起こしたなどで整形外科を
受診したら、たくさんのお年寄りが待っていて、長時間、診察を待つ羽目になった、
ということは、一度や二度は経験されたことがあるのではないでしょうか。

このように整形外科は、特に高齢者が集まりやすい医療機関であるということが
いえますので、地域によってその傾向にもばらつきがでてくると思います。

広島のすべての地域において、たくさんのお年寄りが通う整形外科ばかりとは
言えませんが、一つの整形外科が小さい規模であれば、周辺のいくつかの整形外科に
患者が分散し、どこも手一杯という状態になるでしょう。

整形外科の果たすべき役割とは、いかにして痛みの程度を軽くし、
毎日を快適に過ごせるようにするかということです。

つまり生活の質、いわゆるクオリティオブライフを少しでも上げるよう、
適切な対応をすることが求められる診療科、ということになります。

これからますます高齢化が進むとされる今、
整形外科は地域の特色を知っておかなければならないと思います。

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